毛髪の正しい知識を学ぶ ヘアケアガイド

髪のデータ

髪の構造

髪の主成分はケラチンタンパク質。
外側から中心に向かってキューティクル(毛表皮)、
コルテックス(毛皮質)、メデュラ(毛髄質)の
3層で構成されています。

キューティクル(毛表皮)

キューティクルは無色透明のうろこ状で、4〜8枚がタケノコの皮のように重なり合っています。3層構造で外側からエピキューティクル、エキソキューティクル、エンドキューティクルの順に並び、髪の内部を守る働きをしています。日本人の平均的なキューティクルは5〜6枚ですが、稀に髪の太さは普通でもキューティクルが8〜10枚の人もいます。

POINT

  • キューティクルが髪の内部を保護している
  • キューティクルがキレイに並んでいると髪にハリやツヤが生まれる
  • キューティクルが剥がれると髪のダメージが進行する

コルテックス(毛表皮)

髪の85〜90%を占め、ロープ状のケラチン繊維が何本もねじり合わさってできています。繊維の間にはうるおいを抱え込む軟らかな間充物質で埋められ、髪の柔軟性や太さに影響しています。また、メラニン色素も含み、この部分の種類と量によって髪の色が決まります。

POINT

  • 毛髪の太さやハリ、コシに関わる
  • メラニン色素によって髪の色が決まる
  • 横方3向の刺激に弱く裂けると枝毛になる

メデュラ(毛髄質)

髪の中心にある組織。少量のメラニン色素を含み、空洞の蜂の巣状の細胞が縦方向に並んでいます。太い髪ほど量が多く、細い髪ほど量が少なくなり、赤ちゃんの髪(産毛)にはないと言われています。

発毛のしくみ

髪のうち、頭皮から出ている部分を毛幹、頭皮に隠れている部分を毛根と呼びます。
毛根の根っこにある毛乳頭には毛母細胞があり、毎日分裂を繰り返しています。
分裂した毛母細胞が角化しながら髪の毛となって上へと押し上げられていくため、髪は伸びているように見えます。
個人差はありますが、髪の毛は1日約0.4mm、1ヶ月で約1.2mm、1年で約15cm伸びます。
つまり、30cmの長さの髪の毛先は2年前に作られた毛ということになります。

ヘアサイクル

髪の毛にはヘアサイクル(毛周期)があり、約3〜5年で毛根の成長が止まり、髪が抜け落ちます。
その後、同じ毛穴から約2〜3ヶ月ほどで新しい髪の毛が生えてきます。
髪の成長期は女性で5〜7年、男性で3〜5年と言われています。

  • 初期成長期

    古毛が新毛に押し上げられるようにして脱毛し、
    新たなヘアサイクルがはじまる。

  • 成長期

    毛母細胞が活発に分裂し、新しい髪の毛が成長する。

  • 休止期

    毛乳頭は下のほうで縮小し、
    毛球部分は上へ移動したまま数ヶ月とどまる。
    髪の毛が抜けて、新しい髪の準備段階に入る。

  • 退行期

    毛母細胞の活動が弱まり、成長が止まる。
    毛乳頭が毛母細胞と切り離されて下へ移動し、
    毛母細胞は上へと移動する。

髪の主成分

髪や地肌の主成分は、たんぱく質(プロテイン)です。
ギリシャ語で“第一”を意味するプロテオスが語源にもなっている通り、
たんぱく質は私たちの体にとって重要な成分。
このたんぱく質を構成しているのが、20種類ものアミノ酸なのです。

  • 毛髪とアミノ酸

    毛髪の約80%はアミノ酸由来のたんぱく質で構成されています。そのほかは、水分・脂質・メラニンなどです。

  • 頭皮とアミノ酸

    肌のうるおいを保つNMF(天然保湿因子)に、一番多く含まれているのはアミノ酸。最もナチュラルな保湿剤なのです。

髪の成長に必要な成分

酵素(アミノ酸が集まったたんぱく質)はビタミン・ミネラルの助けを借りて、
髪の主成分であるたんぱく質を合成します。
傷んだ髪はたんぱく質の多くが流出し、水分や油分の保持能力が著しく低下した状態。
カラーやパーマを安心して楽しめる健康な髪を育み、いつまでも若々しい髪を保つためには、
アミノ酸とビタミン・ミネラルの絶妙なバランスを保持することが大切です。

ヘアケアの基礎知識

ナノテクノロジーのヘアケアへの応用

「ナノ」とは「10億分の1」を意味する、物の大きさの度合いを表す言い方のひとつ。
人の髪の毛の太さは8万ナノメートルほどであることを考えると、
ナノテクノロジーは分子や原子のサイズで物質を加工する、極めて微細な加工技術といえます。
美容におけるナノテクノロジー応用の最大のメリットは、
化粧品に含まれる栄養素やミネラル・イオンをナノ化することで、地肌の皮下浸透力を増し、
さらに細胞への吸収力を高めて、その効果を充分に発揮できることです。

毛根まで、いかにしっかり浸透させるかが重要

どんなに効果の高い有効成分をつけても、
きちんと浸透しなければその効果は半減されるといっても過言ではありません。
これまでは有効成分そのものの浸透が遅く、また揮発蒸散しがちでしたが、
ナノテク効果によって毛髪内部までしっかり浸透するようになりました。

ヘアケアとシリコン(正式名称:シリコーン)

シリコンは人体に影響のない、厚生労働省が認めた安全性の高い成分です。
唇や肌につける化粧品のほか、ヘアケア製品にも多く使用されています。
ヘアケア製品の場合、主に指通りをよくしたり、なめらかな感触を髪に与えたりする目的で配合されています。

パシフィックプロダクツの製品

シャンプー ヘアトリートメント
すべてノンシリコンタイプ シリコン配合タイプ ノンシリコンタイプ
泡立ちもよく、指通りのよい処方を採用しているため、あえてシリコンを配合していません。 ダメージケアを目的とする製品に配合。髪とブラッシングの摩擦によるダメージを防ぎ、しっとりなめらかな髪に仕上げます。 ハリやコシのある仕上がりの製品に配合。ふんわりと弾力のある髪に仕上げます。

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シリコンは安全性が高く、有能な原料として、口紅やファンデーションなどの化粧品をはじめ、調理器具やベビー用品、医療の分野でも世界的に使用されています。しかし、世の中ではシリコンに対する悪評が広がっています。顔に使う化粧品よりも、特にシャンプーにおいてこうした現状が起きているのはなぜでしょうか?その原因は20年以上前にさかのぼります。

シリコンが評判を落とした歴史

当時、美容室の業界において、あるメーカーさんから枝毛を防ぐ目的で、シリコン配合の製品が発売され、大ヒットになりました。ところが、しばらくして一部の美容師さんから「パーマがかかりにくい」「カラーが入りにくい」といった声が上がり、結果的に、その製品は数年で製造が中止となった経緯があります。

その頃のシリコンは分子量が大きく、シリコンで髪をコーティングすることによって、パーマがかかりにくかったり、カラーが入りにくい、といった現象が起きたのです。これで一挙にシリコンの評判が落ち、悪者扱いされた歴史があります。なお、現在では、シリコンの種類も多くなり、このような現象はございません。

誤解がさらに誤解を生む風評被害

しかしながら、一旦拒絶された歴史があるため、やはり当時の噂が再び噂を呼び、今では当時をしのぐほど、この現象がまことしやかに語られるとともに、一方では、体にも影響があるのでは、といった、まったく根も葉もない噂や誤解、いわゆる風評被害が起きています。

皆様は、「ノンシリコン」あるいは「シリコンは配合していません」と製品に書いてあると、どのように感じますか?おそらく「あ~、シリコンってよくない成分なんだ」と、イメージされるのではないでしょうか。皆様は、ノンシリコンと謳う製品やパンフレットに「なぜ、ノンシリコンなのか」という具体的な理由や説明を読んだり、ご覧になったことがあるでしょうか?
そうです、ただ単に、「ノンシリコン」と謳うだけで、その理由や説明は一切書いてありません。なぜなら、世間で風評されているような害は元々無いからです。

「ノンシリコン」とは、ただ単に「シリコンは配合していない」というだけのことですが、これがあたかも消費者の間ではシリコンはよくない成分に見えたり聞こえたりしてしまっているのです。顔や唇に使用する化粧品にシリコンが配合されているにも関わらず、誰もそのことについては話題にもしていません。
ところが、シャンプーだけがことさら風評被害にあっているのは、とても不思議なことです。これは大変残念なことです。間違った情報を消費者に植え付けていることになりかねません。

厚生労働省が認めた安全な化粧品原料

繰り返す様ですが、シリコンは極めて安全で有能な成分ですので、その製品の品質や目的によって、配合したり配合しなかったりすればよいだけのことです。シリコンは厚生労働省が認めた安全な化粧品原料で、頭皮や皮膚に浸透することはありません。もちろん、毛穴から浸透することもありません。また、世界的に、もう何十年も前から安全性の高い原料として、口紅やお顔の化粧品に配合されているほどの極めて安全性の高い化粧品原料です。万が一、世間で語られているような害があるとすれば、とっくの昔に厚生労働省がいち早く化粧品原料から外し、使用禁止原料となっていることは言うまでもありません。

以上、シリコンに関する風評被害を述べてきましたが、消費者の皆様におかれましても、このような一部の間違った情報や噂に惑わされることなく、正しい知識を持っていただければ幸いです。